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2013年 07月 25日

謎の独立国家 ソマリランド

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よく人種の坩堝、と言う言葉を目にしますが、昨今のロンドン程その言葉がぴったり合う都市ってないんじゃないかな、と思います。
昨年発表になった国勢調査の結果では、ロンドンの全人口のうちの英系白人が占める割合は45%。
すでに過半数を下回っているのです。
これからもどんどん移民人口が増加傾向にあるため、10年後には35%程度まで落ち込む予測すら立てられています。

自分自身、この国ではマイノリティに属する身の上ですが、私が住んでいるストリートを見ても、戦後すぐから住んでいる英系白人のご老人が数家族いらっしゃるだけで、後は全部外国人。

我が家の右隣はレバノン人家族、左隣は数年前、住んでいらしたMrs.カラヴァン(英系白人のお婆さんでした)が亡くなった後ソマリア人のご家族が引っ越してきました。

このご家族、大家族でおじいさん、おばあさん、その息子さんご夫婦、妹さん(?)、大学生のお嬢さん、5歳くらいの男の子と乳飲み子、と言う家族構成。
子供たちが一体どの方(息子さんご夫婦?それとも妹さん?)の子供なんだかちょっと良く分かりません。
そしてしょっちゅうお客さん(?)ご親戚(?)知り合い?????なのか分からないのですが、そうとうな大人数が頻繁に出入りしていて、一体どんな家なの?と疑問だらけ。

顔を合わせれば挨拶もするし、言葉も交わすし、悪い方たちでないのはよーく分かっています。文化や考え方、習慣の違いがあるので仕方がないのも分かっています。でもちょっと困った事、我が家も金銭的損害を蒙ったりして「参ったなぁ、、、」という事があるのも事実。そしてそれを話してもあまり分かってもらえないので、最近は諦めています。

で、そんな時に見つけたのがこの本。
これを読んだら謎ばかりの隣の大家族についても何か分かるかも、、、彼らの文化や考え方を知れば、もう少し話しやすくなるのかも、と思って手にとってみました。



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ご著者の高野さんは、誰もまだした事がない、未踏の地、そういうところへの探検取材を主にされているライターさんです。

と言うことで、今回のこの本も「ソマリランド」と言うアフリカに存在する謎の国についてがメインになっています。

皆さんソマリア、と言う国はご存知ですよね。

私もかなり昔ですが、ハリウッド映画の「ブラックホークダウン」を見てソマリアについて知ったのが最初でした。
あの映画をご覧になった方なら分かってくれると思いますが、かなり悲惨な内容で、あれが事実をベースに作られた映画である、と言うのは学生の私にはものすごいショックでした。

で、その映画の刷り込みがいつまでもあって、ソマリアは恐ろしい内戦が続く国、残虐で恐ろしい国民、と思い込んでいました。

(ちなみに、あの映画はアメリカの映画なので当然のことながら、アメリカに都合がいい部分しか描かれていません。この本を読むとあのブラックホークダウンの事件前にアメリカがソマリアに対して行った残虐行為について書かれています。その事件が後日のブラックホークダウンに繋がるのです)

が!この本の中で紹介されている北部ソマリアに位置する、独立国家ソマリランドではこの20数年間内戦もなく、人々は平和に暮らしていて、街中を外国人が護衛もなく平気にうろうろ歩きまわれる、と書いてあるんですよ。
これには本当にびっくりしました。
そもそもソマリランドって何?って皆さん思われますよね、私もそうでした。

ソマリアと言う国は国連を始め、回りの列強国がよってたかって決めた国、だったんだそうです。
元々遊牧民だったソマリ人にとって国境なんてあってないようなもの、それを植民地時代に北部ソマリアを英国が統治、ソマリランドと呼び、南部ソマリアはイタリアが統治、ソマリアと呼んでいたそうです。
イタリア語でアって国を意味するんだそうですね。で、ソマリ人の国だから、ソマリアって呼んだのだそうですよ。

その2つの植民地を合併してソマリアにしたのですが、その後内戦がひどくなり、現在では北部がソマリランド、中部がプントランド(海賊の国、として有名です。ソマリア人海賊はみなこの国の人間なんだそうです)そして南部ソマリア(現在も内戦が続いています)に大まかに分かれるんだそうです。

ソマリ人についての描写もすごく面白くて「超速(とにかく何でもすることが速いんだそうです)、お金に異常に執着する、人の話を聞かない」と書いてあって、へぇ、、、なるほど、と思う事がたくさん。

お金に執着するのは元々遊牧民なので、交渉事が歴史的にもう身に染み付いているからなんだそうですが、、、

この本を読んでいるとなるほど、そうだったのか!とか色んな事で目からウロコがぼろぼろ。
私自身がこの国では外国人なので極力色眼鏡で見ないように、と思っていても、やっぱり生まれ育った環境が環境ですから、日本人的な西欧風考え方が基本にあって、それを基準に物事を判断しがちである事を改めて感じ、この本を読むと、世界は広い、基準なんてあってないようなもの、と視野が広くなりました。

お隣の謎だった部分も幾つか間接的に理解出来たので、この分厚い本、読んで損はありませんでした。

それより何より、日本に住む日本人にぜひこの本読んでもらいたいなぁ、、、と思います。
こんな短い文章では書ききれない、語りきれない不思議な魅力、謎の解明、と面白さがてんこ盛りなのです。
本当、世界は広いですよ!
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by jamieoliverlove2 | 2013-07-25 00:00 | Book Club


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