2015年 05月 28日

Wellcome Collection~Forensics~

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少し前から見に行きたい、見に行きたい、と思っていたエキシビションの開催期間がいよいよ終了まで迫って来たので、お天気が良かったある日、朝一番に出かけてきました。

週末だと、どうしてもイーファ連れで行かないといけなくなるのですが、今回見たかったエキシビションはあまりお子様向けとは言い難いので、一人でささっと見ることに。



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今回出かけたのはユーストンスクエアにあるWellcome Collection。
ヴィクトリア時代に製薬会社を興し、それまで粉末状だった薬を錠剤にするなど革新的な技術で名前を残したヘンリー・ウェルカムのコレクションを中心にした博物館兼図書館がここです。

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1936年にヘンリー・ウェルカムが死去すると、ここにウェルカムトラストを設立、彼が集めた医療標本や様々な貴重な資料が保管されました。
ロンドンの一等地にこれだけの規模で建物を建設、そしてトラスト財団を運営するだけの富を得たというのは本当にすごいことで、それが現在でも続いているなんて、、、と感心したのですが、それもその筈、現在ヘンリー・ウェルカムが興した会社は世界でも有名なGSK(グラクソ・スミス・クライン)として続いているんですね。

中には売店やカフェなどもありますが、こちらもとっても綺麗で豪華でお金かかってるな~と感心しきり。
先日イブニングスタンダード紙ではこんな話題も取り上げられていました。

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(写真はイブニングスタンダード紙よりお借りしています)

£17.5mかけて中を改装、この写真の螺旋階段は£1.1mのコストがかかったそうです。

製薬会社って儲かるんですね~

さて、この日ここを訪れたのは、螺旋階段を見に行ったんじゃなくて、こちらのエキシビションを見に行ったからでした。

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Forensics・The Anatomy of Crime

注意:ここから先、記事中に添付する写真がちょっとグロいものもありますので、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。



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入り口のドアの上に飾られていた意匠が、オシリスの目だったんですけど、何か意味があるのかな。
医学とエジプト神話中の死と再生の物語に共通点があるとか、多分そういうことではないかな、とは想像しているのですが、特にここの建物に取り付けられた意味が知りたいな、と思います。
こういうのが好きな人が見たら絶対「これってイルミナティだよ!」とか喜びそうですけど、、、(苦笑)
次回行く事があったら、受付で聞いてみよう。(受け付けのスタッフがそこまで知っているかどうかはちょっと微妙ですが)

さて、こちらのギャラリーで行われているのがForensics(法医学)についての展示。
古くはヴィクトリア時代から現代の最新法医学の情報まで幅広く紹介されています。

例えばこちら。

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私もとても興味があるJack the Ripper(切り裂きジャック)についての展示。

こちらの写真は1888年、ジャックの4番目の犠牲者とされたキャサリン・エドウズが発見された場所の地図と発見時のキャサリンの状態がスケッチされたものです。
この地図はロンドン市の建築家フレデリック・フォスターが描いたもので、後の死因審問の際にも用いられたそうです。

キャサリンが発見された場所は地図中のAでマークされている場所なのですが、この地図をよく見ると、ちゃんと空き家が多い場所を選んで死体を遺棄しているのが分かります。
しかも驚いたことにそう遠くない場所に、警察巡査が住んでいる家があるんです。
この辺りをよく知っている人間が警察をおちょくる気持ちがあって、ここに死体を遺棄したのか、それとも何も知らない人間が怖いもの知らずでこの場所を選んだのか?

昨年の秋にキャサリンの所持品とされたスカーフのDNAサンプルを使って、犯人が精神を病んだ移民のポーランド人であった、とされる説が発表されましたが、100年経った現在最新の科学技術を使ってもいまだはっきりとした犯人が不明のままです。
そんな謎も人々の想像力をかきたてているのでしょうね。

展示物の中にはジャックの最後の犠牲者を写した鑑識官のカメラもあって、ほんと物持ちがいい国だな、、、と感心しました。

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面白かった(と言うと不謹慎ですが)のが、こちらの展示。

こちらはThe Nutshell Studiesと言って、アメリカのフランシス・リー(1876-1962)と言う女性が作った実際の事件現場のミニチュア作品です。
彼女は40年代~50年代に20あまりこういったモデルを作成し、アメリカの警察捜査の為のトレーニングとして利用されていたそうです。

普通、ドールハウスのようなミニチュアって、とても可愛らしくて夢があるものですけど、こちらは実際の事件現場を再現して作ってあるので、同じようなミニチュアなのに、とてもリアルで不吉な雰囲気が漂います。

実際に展示されていたミニチュアの家の一つ、、、コージーな印象の居間、40年代に流行ったインテリアのお部屋の中、突如目に飛び込んでくるのは血にまみれた男性のミニチュアドール。
その人形がなければ、ただのドールハウス、と言えるのに、人形があるだけで、その場が突然陰惨な殺人現場になる、と言うのが現実的でした。

部屋には実際に警察官数人がこのドールハウスを使って、捜査の手順や現場の観察方法、犯行を推理していく様子のビデオが流されていて、興味深く見ました。

その他にも日本の水彩画が展示されていたり(人間が死んでから骨になるまでの様子が描かれているもの)、近代捜査の変革となった指紋や光彩、写真技術やモンタージュ、スーパーインポーズ法についての展示、そして最新技術としてDNA判定や3Dカメラの導入などが紹介されていました。

無料の展示だし、と思っていましたが、いやいや、これはとても充実したエキシビションでした。
展示は6月21日までですので、興味がある方はぜひ足を運んでみてください。

Wellcome CollectionのHPはこちらからどうぞ。
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by jamieoliverlove2 | 2015-05-28 00:00 | Museum


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