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2015年 07月 03日

誰がカインを殺したか

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誰がカインを殺したか 篠田真由美著

待ちに待っていた建築探偵桜井京介シリーズ・スピンオフの新刊です。

今回は世界最古の殺人事件をモチーフに実際の事件は現代を舞台にうつして、名探偵である桜井京介くんがズバリと謎を解き明かしてくれます。



内容(「BOOK」データベースより)Amazonより抜粋

―俺は、カインだったんだ―深夜、謎めいた電話を受けた少年が貴船山中の廃墟で見出したのは、ふたりの兄たちの無惨な死体だった。アベルを殺したのがカインなら、カインを殺したのは誰なのか。天才建築家・橘霆の胸中に眠る愛の記憶。あえかなる水琴窟の音色の彼方に桜井京介がたどり着いた情景とは。旧約聖書に書かれた人類最古の殺人をモチーフに描く表題作(「誰がカインを殺したか」)ほか、慈しみに溢れた傑作短編4編を収録。



やっぱり作品の一番の魅力はキャラクターたちにあり、と私は思います。
どんな小説でも登場人物に魅力がなければ、物語の面白さって半減すると思うんですよね。
例えばいくら良く出来たミステリであっても、出てくる人間が到底感情移入不可能だったら、やっぱり途中で読むのが辛くなると思うのです。

そんな訳で、篠田先生が書かれる小説は登場人物たちが非常に魅力的だな、といつも感じています。
どんなに変な人だったり、嫌な人物が出てきても、それ以上に心がある、ただのお人形じゃないキャラクターたちが出てきて、きちんと読み手の気持ちをケアしてくれる。
だからこそ、新刊が出るともう一度そういう気持ちを味わいたい、と思わず手が伸びるのです。

現実の世の中って、小説世界のような突拍子もない事件は起こりませんけれど(いや、逆に現代の世の中、どんなことが起こっても不思議じゃないですね、、、)小説世界並みに性格の悪い人間や不愉快な人間が周囲に必ずいますよね。
普段の生活において、そういう人間たちと上手に折り合いをつけながら生きていかなくちゃいけない不条理を、納得いかないながらも、なんとか心の奥底にぎゅうっと押し込んで、爆発寸前な人ってたくさんいると思います。
私もそんな一人です。
現実の世の中ではなかなか上手くいかない状況にストレスを溜めこんでギリギリになった気持ちを、小説を読んで昇華させる、、、きっと私だけじゃない筈。

そんな風に日常生活の中で苦しい思いをしている方にはピッタリな一冊だと思います。

なんて書くと、まるでこちらの本が流行の自己啓発本の類か?と思われそうですけど、違いますよ~!立派なミステリ作品です。

前作の「さくらゆき」から準レギュラー化している庄司ゆきちゃんが出会った事件を、スクールカウンセラーとして働く蒼、こと薬師寺香澄くんと桜井氏がメインになって解決に導いていきます。
短編4作品が掲載されていますが、表題作の他で私が気に入ったのは「コックリさんと喫煙と十四歳の研究」と言う小説。

こちらではBBCの人気ドラマ「Sherlock」のS1E1「Study in Pink」で犯人が使った毒薬入りカプセルの考察について書かれていて、これがとっても面白かったです。
実は私も先生が書かれているのと同じような考えを持った一人だったのですが、先生のように深く考察してそういう結論に達した訳じゃなくて、単純にそうじゃないの?思っただけだったので、ヤマ勘が当たっただけなんですけど(汗)でも同じ結論だった、と言う事実が嬉しかったです(笑)

と言うことで本編以外の部分でも楽しめちゃう、一粒で二度おいしい作品、ぜひたくさんの方に読んでいただきたいな、と思います。

↑で少し触れていますが、前作「さくらゆき」、

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こちらを読んでおらず、いきなり「カイン」を読んでも楽しめますが、前作を読めばより面白いのは間違いないので、まだ読まれたことがない方はぜひこちらから手に取ってみてください。

私は最後にめそめそと泣いてしまいました、、、(苦笑)
昔は全然そんなことなかったんですけど、子供を産んでから妙に涙もろくなりました。
そういえば、以前はハリウッドのヴァイオレントな映画も平気で見てたのに、暴力描写が出てくる映画はまったく見られなくなりましたねぇ、、、年なのかな?それとも子供を産むと何かホルモンバランスでそうなっちゃうのかしら?不思議ですね。

話が逸れましたが、どちらもとても面白い小説なのでお勧めですよ!
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by jamieoliverlove2 | 2015-07-03 00:00 | Book Club


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