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2015年 07月 27日

高峰秀子 旅の流儀

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高峰秀子 旅の流儀 斎藤明美編

先日記事にした『台所のオーケストラ』と一緒に以前購入していた本です。



昭和を代表する大女優でいらした高峰秀子さん。
彼女は自分を「ものぐさ」と評したそうですが、周囲から見た彼女はとてもそんな風には思えなかったそうです。
特に旦那様の松山善三さんとご結婚されてからは、忙しい合間を縫って世界各地を旅しておられました。
それこそ海外旅行が珍しかった昭和三十年代から、ヨーロッパやアジア各地を精力的に回られた記録が残っています。
そんな高峰さんが見事であったのは、大女優だからと、自分の旅行鞄の荷造りを人にさせるのではなく、必ず自分でして、もし足りない物があったとしても決して人を使い走りさせるようなことはなかったということ。
そしてどんなに長いフライトの旅でも、機内では決して寝ることはなく、読書をされておられたとか。
それは他人様に自分の寝顔を見られることを避けるためだったようです。
女優としてのプロ意識を常に持たれていたのですね。
滞在先のホテルや旅館でも同じような姿勢は崩されませんでした。
滞在を終えて部屋を出る際には、ベットをかろうじて使ったか、と分かる程度に整え、ゴミ一つ床に落とさず、洗面所も綺麗で、使用したタオルだけはバスルームの床にひとまとめにされていたそうです。そうすることで、お部屋のお掃除係りの人が、使用済みタオル、と一目で分かるのと、部屋のあちらこちらに置いておくと集めるのが大変なので、床にまとめておいたのだそう。
高峰さんの人に対する気遣いが感じられて、とても素晴らしい逸話だな、と思いました。

二十七才の時、高峰さんは周囲の圧力から逃れるように、約半年間パリ生活を送られています。
昭和二十六年のことでした。まだまだ日本は戦後復興の最中の時代です。
五才の頃から女優の仕事をされていた高峰さんは、人間関係でがんじがらめになった日本での生活を捨て、半年間だけ孤独な生活を過ごされました。
日本では顔をおおっぴらにして外も歩けない生活。それがパリに着いた途端に誰も自分のことなんてまったく知らない。自由でやりたいことだけをやれる生活。でもそれはとても孤独なものでした。
その孤独を経験したからこそ、日本に戻ってからまたやり直せる、と確信されたのでしょう。
その後も度々好きな旅行先としてパリを訪れられました。

そんな時期のことを回想して書かれたものなど、秀逸な旅のエッセイがたくさんの写真と供に掲載されています。

この本を読んだら、なんだかとても旅に出たくなりました。旅がお好きな方にお勧めの一冊です。
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by jamieoliverlove2 | 2015-07-27 00:00 | Book Club


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