2015年 07月 23日

ホテルメランコリア

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ホテルメランコリア 篠田真由美著

春にお会いした篠田先生からお土産で頂戴したご著書のうちの一冊を読了したので、こちらに感想を書き残します。



メランコリー【melancholy】
① 気分が重苦しくふさぐこと。憂鬱。
② 躁鬱(そううつ)病の鬱の状態。憂鬱症。メランコリア。

憂鬱と名付けられた横浜の丘の上に建てられた小さなホテル。
今はもう無くなってしまったこのホテルについて調べて欲しい、と依頼された時から、最期のページに至るまでの筋道は運命づけられていました。


内容(「BOOK」データベースより)(Amazonより抜粋)

「私の記憶の中にあるホテルを探してくださらない」ある老婦人から依頼された私は、かつて横浜の高台にあり、多くの外国人客を迎えた小さなホテルについて調べはじめる。海が見えるオープン・テラス、年末にバンケットルームで開催される豪華絢爛なダンス・パーティ、評判のシェフが作り出す珍しい料理の数々、世間の目をはばかる客も多かった長期滞在者用のアパートメント。不思議なことに、もと従業員や宿泊客たちが語るホテルにまつわる思い出話には、死と影と奇妙な謎がからみついていた―憂いと頽廃の気配漂う、美しくも恐ろしい連作短編集。

華やかな幕開けから一転、青空に黒い暗雲がじわじわと広がるような不穏な空気が漂い、どんどんと小説世界に引き込まれていきます。
かつての従業員たちがホテルでの思い出として話す言葉は、どこか現実離れして悪い夢の中を彷徨っているかのよう。
かと言って、ホラー小説のような直接的な怖さはありません。
じんわりと心の奥底から恐怖心が湧いてくるような、そんな感じです。
上品な恐怖、と言うのが正しい表現かは分かりませんが、ぎゃっ、と驚かされるというよりも、読了後にそうだったのか、、、と背筋がひんやりするような、そんな感覚が味わえます。

私も日本にいたころ横浜のホテルに宿泊したことがありましたが、早くから開港していた影響で、どこか欧風な感じが良く残るあの土地を舞台にしてあるのが、この小説世界をより面白くしているように思います。
怪しく不思議で美しい連作小説です。本好きな方なら絶対満足できる一冊だと思いますので、お勧めですよ。

*数日間、コメントのお返事が遅れます。来週は通常運転に戻りますので、どうぞよろしくお願いします。*
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by jamieoliverlove2 | 2015-07-23 00:00 | Book Club


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