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2015年 07月 31日

ヴェネツィアのチャイナローズ

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ヴェネツィアのチャイナローズ  Andrea di Robilant著

7月前半、暑かったので家にお篭りしていることが多く、自然と本を読む機会が増えました。

そんな暑かったある日に手に取ったこちらの本が、すごく面白かったのでご紹介します。



ヴェネツィアと言えば、TVなどでよく見る運河が張りめぐらされ、島々をゴンドラで行き来する様子を思い浮かべますが、こちらの本で登場するヴェネツィアはイタリア本土に属する土地が舞台です。

作者のアンドレアさんの6世前の先祖、アルヴィゼ・モチェニーゴはヴェネツィアで18世紀にアルヴィゾポリ、と言う独自のコミュニティを作りました。
残念ながら先進的なコミュニティであったアルヴィゾポリは20世紀には廃頽し、現在では存在しません。
しかし、そのかつてアルヴィゾポリがあった地域には可愛らしいピンクのバラが自生していました。

アンドレアさんはこのバラが地元の人たちに「ローザ・モチェニーゴ」と呼ばれていることを知り、このバラが一体どこから来たのか調べることにしました。

ローザ・モチェニーゴを持ち帰ったと思われるのは、18世紀後半、アルヴィゼ・モチェニーゴの息子、アルヴィゼットがフランスに留学した際のこと。
当時、ナポレオンがヨーロッパ征服を目前にしており、ナポレオン支配下に入ったヴェネツィアでは支配者の子息はフランスへの留学が義務付けられていました。
イタリア国上院議員だったアルヴィゼの息子も当然のごとくフランスへ送られることになり、アルヴィゼの妻ルチアが同行することになりました。

そして花の都パリでルチアはナポレオンの妻、ジョセフィーヌと出会い交友を深めるようになるのです。

バラ好きな方の間では有名な話ですが、ジョセフィーヌは大のバラ好きで、自分が新種のバラを手に入れるために、当時断交状態にあった英国との間に特別な協定を結ばせ、自分が好きなようにバラを取り寄せられるようにしたほど。
彼女が住むマルメゾン城は数々の珍しいバラで埋め尽くされていたそうです。

そんなマルメゾン城に通うようになり、それまで花にはまったく興味がなかったルチアも徐々にバラの美しさに惹かれていきます。

そしてナポレオンが斃れ、ルチアがパリを去る日が来ました、、、

と言う風に歴史を紐解きながら、段々と「ローザ・モチェニーゴ」の秘密に迫っていきます。

たかがバラ、されどバラ。
この時代、バラに魅入られた人々のことを「薔薇熱(ロゾマニー)」と呼んでいたそうです。

バラと言えば、英国のイメージが強かった私ですが、この本を読んで、イタリアやその隣国でも数々の名バラ園を持つ人たちがいることを知りました。
特にイタリア・フリウリ地方に住む、エレオノーラとヴァレンティノ夫妻の庭、、、読んでいるだけでもその美しさが目の前に浮かんでくるほどの素晴らしいバラ園。
ああ、一度この目で実際に見てみたい!

オールドローズとモダンローズの違い、そしてバラが現在の形へと変化していくまでの歴史など興味深い内容で引き付けられました。

思いがけなく日本人が登場したりして、それもちょっとびっくり。

そして「ローザ・モチェニーゴ」の正体が分かるのか、分からないのか?この辺りのミステリばりのドキドキ感も素晴らしかったです。

バラ好な方も、そうでない方も、とても楽しめる一冊でしたので、機会があったらぜひお手に取ってみてくださいね。
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by jamieoliverlove2 | 2015-07-31 00:00 | Book Club


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