2016年 04月 19日

Mr.Holmes

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巷で話題の『Mr.Holmes』、やっとこさ見られました。
映画館に上映中に行きたかったのですが、ドタバタなにやら忙しくて結局行けず仕舞い、DVDが出たら買いましょう、と思っていましたが、こちらのお国、発売してから少し待つとすぐに値段が下がるのでちょっと待ったら£5以下まで下がったので、この辺りで買いますか、とやっと購入しました。
が!夫がAmazon Prime会員なので、すぐ翌日に届くし~と頼んだら、何故か届かない、、、サイトを見たら「運送中に破損したため配達出来ません。アマゾンのカスタマーサービスにコンタクトを取ってください」の文字が。
出ました、英国の素晴らしいサービスっぷり。
大体配達中に破損って何?
しかも同じ日に頼んだのですが、別会計(抱き合わせではなくて、別々にクリックして買った)の本1冊も配達出来ません、と配送センターに戻っちゃってました。
そんな別々梱包の商品が同時に破損って一体何が起きたんだ~?何か液漏れでもして濡れちゃったとかだったんですかね?
夫に連絡してもらったので(夫のアカウントで購入してるので)詳細は分かりませんが、以前もPrimeサービス使ったのに、翌日配送どころか3日もかかったので、英国アマゾンのサービスはやっぱりアテにならん、と思った次第です。
(高~い年間会員費取っておいてこのサービスはないだろう~!って毎回思います。( `ー´)ノ)

この先長くなりますので、お時間のある方、興味のある方はどうぞ。



さて、愚痴ったところで本題に。

シャーロック好きな篠田先生がこの作品について色々書かれていたのをブログ日記で読んでから見たので「ほうほう、なるほど、、、」とうなずきながら見ていたのですが、まずは全体の印象から。
私はこういう映画、好きです。大好きって言ってもいいと思います。
静謐な空間、登場人物たちの心の機微を描く映画、日本映画で言えば小津、洋画で言えばヴィム・ヴェンダースがとても好きなので、こういう映画はツボに思い切りはまります。

老齢になったホームズが自分が引退することになった過去の事件について回想することと、日本に記憶力を良くする為の秘薬のハーブ(山椒)を取りに旅行したストーリーが、家政婦であるミセス・モンローと彼女の息子ロジャーとの日常生活を交えながらフラッシュバックのように蘇って1つの物語を紡ぎ出しています。

93歳という高齢になったホームズが体の自由も利きにくくなる、記憶も段々定かでなくなると日々人生の終わりの時を迎えつつあることを悟りながら、彼がどんな選択をするのか、という部分がすごく自分の中では響きました。
人間はいつか終わりの時を迎えます。
日本ではエンディングノートと言うのが流行ったとネットなどで目にしましたが、これってとてもいい試みですよね。
ホームズはエンディングノートは書きませんでしたけれど、ある一つの決断をすることで、その代わりをしたんじゃないかな、と思います。

ホームズとロジャーの心の交流もとても良かったです。
自分が小さい頃、祖父母とは離れて暮らしていたので、親と違う大人との接し方に戸惑うことがよくありました。
たまに祖父母と会っても、なんだか素直に会話が出来なかったり。
ロジャーがホームズに自分の考えをあれこれと話をしたり、一緒に養蜂をしたり、海水浴に行ったりするのを見て、こういう事を自分もしたかったなぁ、、、としみじみ思いました。
ロジャーにとってのホームズは身近に居ない父親の代わりであり、周囲から見たらなかなか分かりにくかったと思うのですが、きっと彼にして見たらすごく親しみを感じるおじいちゃん、みたいな感じだったのかな。
よくご近所からは「偏屈じじい」なんて言われているのに、なぜか子供たちには好かれる老人、みたいな人いましたよね?ホームズってそんな感じだったのかな、なんて想像しました。

日本へ行くエピソードもなかなかに胸に響くものがありました。
時期を同じくしてG7外相会議が広島で行われ、各国外相が広島の原爆ドームや記念碑を訪れたのをニュースで見ていたので、なんだかこの偶然にびっくりだったのですが、、、

現在でもBBCでは熊本、阿蘇地方の地震について連日報道しているのですが、英国人の報道関係者にしてみると、日本人が避難所生活でも整然と秩序を保って過ごしている様子は驚くべきことのようです。「日本人はストイックだ」と何度も言っていました。
このストイックさって日本や日本人を表現するのによく使われる言葉なのですが、これ以上日本人をよく表した英単語ってないかもしれません。
Mr.Holmesの世界観ってある意味、このストイシズムに溢れていたと思います。
そういう意味でも何故日本が登場したのだろう?と考えた時に、山椒のエピソードを元々描きたかったというよりも、日本の、日本人のストイシズムや死生観なんかを物語の中に描きたかったのかなあ、、、と思いました。

それから、映画を見ていて思ったのは、真田さんがとてもステキだったこと。
DVDにはおまけ映像で主要キャラクターの俳優さんたちのインタビューが収録されているのですが、真田さんも堂々と英語で自分の考え方を答えていて、素晴らしいなあ、、、と思いました。
どうしても英語が母国語でない人がやりとりしようとすると、焦ってしまってうまく答えられなかったり、意味が分からないことを言ってしまったりするのですが(あれ?それは私だけかー?苦笑)真田さんはとても落ち着いていて、グラマーの間違えもなく、ちゃんと質問に沿ったお答えをされておられました。
本当に素晴らしいです。

勿論、演技もとても良かったです。
あの名優、イアン・マッケランを相手に委縮することなく堂々とされていて、ちょっと謎のある日本人役を見事に演じ切っておられました。
よく洋画では日本人役を中国系やその他のアジア系の俳優さんが演じていて、日本人から見ると「あ~違うんだよなあ」とがっかりすることがあるのですが(英語が話せる日本人俳優さんの数が少なくて仕方ないのかもしれませんが)今回は真田さんがキャスティングされていてとても嬉しかったです。

しかし、しかし、やっぱりイアン・マッケランはすごい俳優さんですね。
英国に住んでいて思うのは、俳優陣の層の厚さです。
子役から老人(失礼、、、)まで本当に幅広い層に演技力が確かな俳優さんがたくさんいて、ホントよく書きますが、さすがシェイクスピアの国だけあります。

私がイアン・マッケランが好きなのは、あれだけすごい俳優さんでハリウッドの大作にもじゃんじゃん出演するような人なのに、TVのドラマやコメディにもよく出演してるってことなんですよね。
以前ご紹介したことがありますが、「Vicious」と言うゲイコメディに主演していますし、数年前には「Coronation Street」というソープオペラに怪しげな自称小説家役で出演していたこともありました。
あのサー・イアンがソープオペラですよ?!
普段はソープ見ないんですが、この時ばかりは数週間このドラマを見続けました(笑)
この次はどんな作品に出演するのか、楽しみで仕方ありません。

さて、冒頭に少し書いたのですが、篠田先生がさすが大作家、ご自身のブログ日記中にMr.Holmesを題材にしたとても素敵な小話を書かれていて、読むと映像イメージが浮かんできて「ああ、いいなぁ」と思いました。
その中に散りしきる桜の下で、、、という文章があって、ホームズがトップハットで桜の木の下にいるイメージがあるのですが、それがすごくいいんですよねえ、、、日本人ならきっとみんなこういうのを映像で見ると「ああ、素晴らしい」と思うに違いないです。
ほんとそれを文章化しちゃうって作家の先生ならではのすごい能力だなあ、と感動しちゃいます。
私もそういう映像が見たい、、、

と、思ってふと何でそういうイメージシーンのようなものが映画内にないのかな、あったらとても素晴らしい映像シーンになるはずなのに、、、と考えた時に、日本人が思い描く美しい情景と英国人が思い描く情景の中の隔たりのようなものに思い当りました。

この映画の中で度々映し出される舞台となったサウスダウンの緑が広がる丘陵地と白い岸壁が眩しいチョーク層の海岸。
以前何かで、フランス側からフェリーに乗って、ドーバーの白い岸壁を見ると「ああ、英国に戻ってきた」としんみりするのだ、と読んだことがあります。
それと以前、アンケート調査で「海辺」と「緑の丘陵地」のどちらに住みたいですか?と言うものがあったのですが、確か圧倒的多数で「緑の丘陵地」が選ばれた、とニュースで見たことがあります。
この映画の中で映し出される風景は、英国人が思い描くいわば英国人の心の原点の情景なのかもしれません。
日本人にとって桜が情感を誘う特別なものなのと同じように、英国人にとってはこの風景が情感を誘うものかもしれないな、と思いました。
映画内のこういうシーンを見ると、英国人たちは「おおっ、英国らしい!」って思うんでしょう。

さて、この映画の冒頭部で日本から戻ってきたホームズが駅からキャブに乗って自宅まで戻る途中、教会の前を通るシーンがあるのですが、見ていて「あれ?あの教会見たことがある!」と思って調べてみたら、、、2010年にお出かけしたウィンチェルシーの教会でした。
(*その時のブログの記事
独特の外観だったので覚えていたんですよね。
あの辺りでロケしたのかーと感慨深かったです。

ロンドン市内でもあちこちでロケしたみたいで、調べてみたので、またいつかチャンスがあったら一人ロケ地巡りしてみたいと思います。

字幕なしで見たので、ところどころあやふやに聞いてしまったセリフもあるので、今度は字幕付きで二回目を見たいと思います。
二度目はまた違った感想を持つかもしれないのですが、きっと初回に見たような好き、と言う感覚は変わらないと思います。

もっとしっかりと自分が感じたことを書きたかったのですが、何だか上手く文章にまとめきれませんでした。
支離滅裂な感想文でごめんなさい。
でも絶対見て損はないので(ただし、ホームズの謎解き物語を期待するとガッカリするのでご用心下さい)日本でもDVDがリリースされたらレンタル等で見てみてくださいませ。

ちなみに余談なんですが、私の大好きな「Endevour」DI Thursday役のロジャー・アラム(ドクター・バリー)や「Whitechapel」DS Miles役のフィル・ディヴィス(ギルバート警部)、そして「Vicious」Violet役のフランシス・デ・ラ・トゥールが出演しているのがすんごいツボでした!
やっぱり俳優の層が厚いなぁ~、、、英国。

それから少年ロジャー役、Milo Parkerくんですが、大人顔負けの演技をする芸達者な少年だけあって、さっそくTVドラマにレギュラー出演しています。

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The Durrells ITV 日曜日夜8時から放送中

英国の有名な生物学者Gerry Durrellが少年時代を過ごしたギリシャのCorfuという島での生活を綴った自伝が原作のドラマです。
Miloくんは影の主役ともいうべき少年Gerryを演じています。
(写真中央部の一番若い男の子)
このドラマもかなり面白いので在英の方にはお勧めですよ!
(現在第3話まで放送終了していますが、終了分はITV Playerでキャッチアップ可能です)
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by jamieoliverlove2 | 2016-04-19 00:00 | Films


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