2016年 06月 02日

Stourhead, 1

e0015758_19471215.jpg


毎週末予定が入っていた5月ですが、義父の命日の翌週末はWiltshireまで1泊で出かけました。

出かける目的地が、私が以前からずっと行ってみたいと思っていたナショナルトラスト施設のすぐ近くだったので、寄ってもらうことに。

他の夫の家族たちも集合予定だったのですが、彼らは車ではなく、電車での移動だったため、ナショナルトラストに行ったのは我が家だけ。
当初は我が家も一緒に電車で、と言う話が出ていたのですが、どうしてもナショナルトラストに行きたかったので車移動にしてもらいました。



e0015758_19514165.jpg


行きたかった先はStourhead。
いつもDevonに旅行に行く時にすぐそばを通り過ぎていて、途中で立ち寄りたかったのですが、Devonまでが遠くて寄り道しちゃうと到着時間が読めないので、一度も行ったことがありませんでした。

e0015758_19533351.jpg


そんな訳で念願叶って、ずっと来たかったStourheadに来られて大満足。

まずはお屋敷の中からの見学です。

e0015758_19554469.jpg


ここのお屋敷は18世紀にHoar家がパラディウム様式で建てたものです。

このHoar家は何で財を成したか、と言うと金融業だったんですね。
驚くことにこのHoar家の銀行、現在でも金融業を営んでいて、英国最後の個人経営の銀行なんだそうです。

e0015758_1959212.jpg


こちらは私がお屋敷に入ると絶対じーっくり見ちゃう図書室です。

本棚がぐるーりとお部屋を巡っているのがすごく落ち着く~

e0015758_2001841.jpg


ステンドグラスがとても綺麗でした。

e0015758_2004193.jpg


さて、こちらの図書室には一体どれくらいの本が収蔵されているか想像つきますか?
今迄、そんなことを考えて見学をしたことがなかったのですが、なんと!こちらの図書室、ちゃんと本の冊数が何冊あるのか見学者に分かるようにしてあるんです。

ナショナルトラスト各施設では収蔵品についてはきちんと管理しているので、きっと他の施設でもちゃんと何冊本が屋敷内にある、というのは分かっている筈ですが、案内係のスタッフが教えてくれる前に、提示してあるのを見たのは初めてでした。

e0015758_2015323.jpg


答えは6,474冊。

意外と6,500とかキリのいい数じゃあないんですね。
数えたスタッフの皆さん、お疲れさまでした。

e0015758_203791.jpg


アフタヌーンティのセッティングがしてあるお部屋。
こういうお部屋って日本人が憧れる典型的な英国の上流階級的風景、って感じですかね?

こちらのお屋敷、今もHoar一族の末裔の方が住まわれている?のか、ところどころに妙に生活感があるものが、、、

e0015758_2084641.jpg


写真奥には液晶テレビ、手前左側にはお酒の瓶がずらーり、、、( ゚Д゚)

子供たちはテレビに食いついて「あーテレビあるよー!」と喜んでいました。
夫が食いついたのは手前に置いてあったお酒の瓶、、、「ジンでも飲みながら、テレビ見るのかねえ?なんかトラストのお屋敷っぽくないね」と話したら、そばで見学していたおばさんが「なんだか突然現実世界に戻っちゃったわね~」と激しく同意してました。

写真には収めていないのですが、ここの隣がまた生活臭ぷんぷんな部屋で、、、(苦笑)
置かれていた本棚には現代の本が並び、娘は「あーナイジェラ・ローソンの本があるよ~」と。
年代もののチェストの上に飾られていたのは、もしかすると直近の御子孫なのかもしれないのですが、金髪の女性が写った写真がたくさん飾られていたのですが、どれもこれも芸能人と撮ったものばかり、、、( ゚Д゚)

ポール・ウェラー、テリー・ウォーガン、ビル・ナイなどなど。
そして見たところ70年代に撮影されたと思われる写真(ヒッピー風な恰好をしていたので分かりました)があったのですが、一緒に写っている男女がどこかで見たような人たちなのですが、分からない、、、と、夫が「これ、Longleatの当主じゃないか?」と言って分かりました。
Longleatと言えば、屋敷を一般開放する他、園内にサファリも作っちゃって、家族連れには人気のレジャースポットです。
Stourheadから、そう遠くないところにあるし、上流階級同士のお付き合いは頻繁にあったようですから、この二家族が親しく付き合いをしていたとしても、全然不思議ではないのでしょう。

しかし、謎なのはトラスト側の説明では1947年に譲渡以後、現在も一族がこちらに住んでいる、と言う説明はなかったように思うんです。トラストのHPにも書かれている様子もないし、、、一体どういう事だったんでしょうねえ?一体あのお酒やテレビは、、、???

e0015758_20113284.jpg


こちらのお屋敷も他の例に漏れず、二つの大戦中には傷病兵を受け入れる病院の役割を果たしていました。

こちらの大広間、パーティの際にはボールルームとしても利用されていたそうですが、お部屋の中には戦争当時に使われたらしい松葉杖や兵士のヘルメットなど数々のメモラビリアが展示されていました。

e0015758_20284810.jpg


平和な時代にはここで、お屋敷の女性たちがハイティーを楽しんでいたのでしょうね。

e0015758_20291965.jpg


ふと窓から外を見ると、お庭の向こう側にオベリスクが。

スタッフのおばあちゃまのお話では、このお屋敷はパラディウム様式なので、お屋敷の丁度真ん中の線をずっと伸ばしていくと、このオベリスクの場所になるのだそうです。
(*パラディウム様式は対称形に建てられる建築様式なのです)

e0015758_2031628.jpg


さて、こちらのお部屋にあったこちらの仰々しい棚。

一緒に置いてあったこちらのキャビネを見て、

e0015758_2032852.jpg


イタリアの物だな、とピンときたのですが、スタッフのお話を聞いたらビンゴでした。

このキャビネの表面には薄く切った貴石、準貴石を貼り合わせて模様にしてあるのですが、このスタイルはイタリアで流行したものなのです。

e0015758_20334226.jpg


さて、この仰々しい棚ですけれど、こちらもやはり予想通りイタリアから渡ってきたものでした。
が、元の持ち主がローマ法王だったそうで、、、そこまでは予測していなかったので、意外だったのですが、聞いてみればこの仰々しいのもなんとなく納得(?)(^▽^;)

e0015758_20382330.jpg


私が狂喜したのは上のローマ法王所有だった棚じゃなくて、その棚のためにHoar家が作らせた土台。
これ、チッペンデール作なんですよ~~~!
チッペンデール物を見るのが大好きなので、じっくり観察させてもらいました。

チッペンデール、、、トーマス・チッペンデールは17世紀を代表する有名な家具職人でした。その影響力は強大で、チッペンデールスタイルと呼ばれる家具スタイルが、英国国内に限らずヨーロッパ大陸、果てはアメリカ大陸にまで広まりました。
現在でもチッペンデールの真作は非常に価値があり、椅子一脚の値段ですら、ウン千万から億の値段が付きます。
夫の友人のお兄さんがアンティーク家具の修復作業を手掛ける職人さんなのですが、昨年、チッペンデール家具の修復を手掛けて、その報酬がウン千万円だったそうです。
ちなみにその家具本体の値段は軽く億超えだったそうですよ。すごいなあ、、、

e0015758_20401055.jpg


最後のお部屋はピクチャールーム。
18世紀初頭に当主だったHenry Hoar Ⅱ氏が絵画や彫刻の蒐集を趣味としていた方だったそうで、こちらのお部屋にはそれらの蒐集品が展示されています。

e0015758_20461366.jpg


他のお屋敷なんかに行くと、ピクチャールームの中にはかなり圧迫感があるお部屋があるんですが、こちらはお部屋に燦々と陽の光が差し込んでいたからか(本来なら絵の保存のためには良くないと思うんですけれど)とても過ごしやすい気持ちの良いお部屋でした。
壁の色が私好みの色合いだったからかも。
暗めの色だと重圧感がすごいんですよね。

残念ながら二階は一般公開されておらず、一階だけの見学でしたけれど、なかなかに興味深い楽しいお屋敷でした。

実はこちらのトラスト施設、お庭がとても有名なことで知られており、私も当初はお庭目当てで訪れました。
が、予想に反してこちらも見学する価値のあるとても面白いお屋敷で、いい意味で期待を裏切られて来て良かったな、と思いました。

e0015758_205009.jpg


長くなりましたので、お庭の紹介は次の記事に続きます。
[PR]

by jamieoliverlove2 | 2016-06-02 00:00 | National Trust


<< Stourhead, 2      義父の命日、2016 >>